野音のステージ向かってライヴのはじまりを待つトイレの話

 何度か工事されとるから、ワシだって生え抜きじゃない。他の事物どもは「老害」「老害」言いおるが、ワシが若い頃にそんなこと言うっとったら大目玉くらったわ。だから、影でコソコソ言うっとったがな。ぐひひひ。でもな、ステージ以外で唯一の付喪神じゃぞ。ワシ。反対側のヤツとふたーり。あとでヤツにも話聞いたげてな。ワシにしか話聞かんかったら一生トイレ入れんぞ。神様の悋気ほど最低なもんは無いから。
 でだ、ワシの街はゴミ溜めのようさな。なにせワシはトイレだからな。ぐひひひ。気が違ったような音楽が鳴り響くんじゃぞ。ハイエナのような役人や政治家どものお膝元なのにな。もう今さら平穏には生きられんて・・・ワシにもうすこし神力があれば、あの時ここで人が死ぬことも無かったわな。神様ん中で、さんざっぱら怒られたわい。ワシもお前さんもみんな消されちまうかと思ったわ。
 なんだかんだで今は平和じゃ。戦争も革命も起きない。楽しく音楽を聴いていられる。
 今は平和じゃ。なぁ。ぐひひひ

野音のステージ向かってライヴのはじまりを待つトイレの話」を改訂

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